吃音ガイドライン 発達障害とは 吃音(きつおん どもる)って、なんだろう?

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吃音ガイドライン

吃音について企業団体、行政、教育機関、医療従事者、支援者に向けて、研修やセミナーを無料(交通費や滞在費はご負担ください)でお引き受けしています。

詳細は「お問い合せ」から連絡をください。

 

1.最近、吃音(きつおん・どもる)のニュースが頻繁に流れるようになってきました

 

新聞、インターネットメディア、テレビの報道番組、2016年のテレビドラマ『フジテレビ ラヴソング』など多岐に渡ります。

みなさまはどれくらい吃音のことを知っていますか?

吃音と言えば一般人・健常な人からすれば『緊張しているんじゃないの』、『精神的なモノでしょ?』、『治しなさい。そんなことじゃ仕事できないよ』と評価するかもしれません。吃音は練習すれば治ると思って、吃音者の方に『吃音を治してきなさい!!』と強く指導する人もいるでしょうか?

 

2.吃音者は幼少期から様々な悩みを抱えています

 

学校で挙手して発言、教科書の輪読、人の前での発表、挨拶や自己紹介、うまく話せないため会話に入らない、人と出会う機会を自然避け人生の機会損失、就職活動や就労にむけて大きな悩みを持つようになります。就職活動も「堂々と吃音があります」と障害者手帳を持っていないのにカミングアウトして、次々と不採用通知が届き、うつ病や適応障害になる、その後新卒で就職失敗、ひきこもりニートになる吃音当事者もいます。就労経験がないまま年齢を重ねる吃音者、公務員なら差別は無いだろうと勘違いし毎年毎年年齢制限まで公務員採用試験を受け続ける方もいます。吃音者といっても全ての吃音者が成功し居場所のある人というわけではありません。辛い人生を送っている人もいます。

 

 

3.吃る人、吃音者は障害者です

 

現状では脳神経ネットワークの発達により発話がうまくいかない、吃音状態になることがわかってきています。ただ、まだまだ不明なことは、成長すると吃音が治る人、大人になっても継続する人の辿る道程がわかっていないことがあります。故に吃音が治った人が治らない人に対して「私はこうやって吃音を治した!お前は努力が足りない」などと吃音当事者の間でマウンティング行為が行われることもあります。

 

イジメを受けて不登校になった、高校や大学に行きたかったが諦めた、就職できなかった、ひきこもりになってしまった、などなどの困っている吃音者を叩き潰す、さらに精神的に追い詰めるという恐ろしいマウンティングです。後述しますが吃音業界には医療従事者や専門職が積極的に携わることがありません。特に当事者会では他人を言い負かすこと、個人情報を言いふらす、他人を痛めつける、他の障害者や社会的障壁や難病の人を見下す言動を平気で実行するという悲しい事案もあります。

 

4.遺伝的な影響もわかってきています。一般に言われる発達障害である自閉症スペクトラムやADHDやチック・トゥレット、学習障害、読み書き障害と吃音が併存する人もいます

 

吃音の子どもがいると、父母や祖父母、親戚に吃音の人や吃音と自閉症スペクトラムやADHD、吃音とその他の発達障害を持った人がいる場合もあります。お正月やお盆、結婚式やお葬式に親戚一同が集まる機会で、わかることがあるかもしれません。実は親戚の中に長い間引きこもりをしている人がいるかもしれません。ちょっと変わった人と共通認識を持たれている人がいるかもしれません。

 

長い間、親の躾や教育方法が間違っていたと父母が責られることもありますがこれは間違いです。遺伝的そもそも脳神経の発達のこと、脳内の話すことのネットワークがうまくつながっていないことで起こる発達障害なのです。

 

吃音ドクターこと菊池良和医師の著書にも吃音と発達障害や併存について指摘、日本音声言語医学会の学会誌でも発達障害と吃音の併存(音声言語医学 2016 Vol.57 No.1 (January))について報告があがっています。

 

吃音が治るかどうかはまだわかりません。子どものころは吃音があったが大人になって治る人とそうではない人の研究はこれからはじまるところです。どのような発達や介入をすれば吃音が大人になって消失するという原因解明も未来の世界では発表されているかもしれません。

 

薬物療法も具体的なものはなく、てんかん治療薬や抗不安薬、精神薬の処方、ADHD用のコンサータが吃音にも効果があるのではないか? と言われている段階です。

 

 

5.吃音者と保護者の中には吃音は障害ではないという主義主張に染まっている人もいます

 

吃音者やその保護者の中には吃音が障害ではない、かわいそうな障害者と一緒にしないでくれと、吃音者はかわいそうじゃない、吃音で障害者手帳をもらうなんて恥だ、吃音で社会保障を利用するなんて恥だ、吃音者は優れているとナチスドイツのように優生思想を持っている人もいます。

 

2016年8月17日に毎日新聞社が一面トップで吃音で困っている人、差別を受けた人を報道しましたが、障害者認定反対派の人はそれを敵視し持論を開陳し展開し、吃音者はかわいそうじゃない、障害ではないと宣言しています。巻き込まれると非常に厄介です。

 

このような一部の過激な吃音当事者やその教えを開陳し参加者を洗脳する団体もあります。現在では吃音者の過激な思想が、吃音以外の障害者、社会的障壁のある人、難病の人、いろいろな人に伝わっています。2016年に神奈川県相模原市で起きた障害者施設無差別大量殺人事件も、優生思想が原因の1つではないかと言われています。吃音の障害者認定反対派も『他の障害者よりも吃音は優れている。配慮される存在ではない。吃音は可哀想な障害者ではない。吃音で税金の世話になるのは恥である。保護者に吃音は障害ではない』と教えてしまい、結果的に「吃音当事者と保護者に優生思想を植え付ける」ことになっています。

 

一般の方、その他の障害や難病を持っている方、社会的障壁を持っている方、そのような過激な吃音者も存在しますが、どうかどうか困っている吃音者がいれば手を差し伸べてください。ICD-10やDSM-5といった診断基準、政府広報、厚生労働省や文部科学省の正しい情報を知って下さい。特に一般に言われる発達障害を診療する医療従事者のみなさん、支援しているみんさんには吃音に第三者視点で専門職の視点も忘れずに、優生思想や差別発言を行う吃音者や団体もあるということを事前に理解した上で積極的に関わってほしいと思います。

 

吃音業界は長年に渡り、医療従事者や支援者、専門職、国家資格を持った人が第三者視点で支援する体制がありませんでした。発達障害者支援法が施行されてから、「専門職がいない発達障害当事者しかいない団体はデメリットもあるのではないか」と発達障害の研究者や支援する専門職から言われるようになりましたが、その歴史は吃音業界の派閥抗争や団体の分裂の経緯、主義主張の違い、派閥抗争を調べると、「発達障害当事者団体のデメリット」とはそもそも吃音業界が1965年から起こしていることだとわかるでしょう。興味の有る方は1965年から吃音業界、吃音者当事者団体はなぜこんなにも分裂や喧嘩をしているのか研究することをオススメします。20XX年現在の発達障害者の団体が上手くいかない、デメリットがある場合の事実はそもそも、吃音業界がすでに行っていることを再現しているだけなのです。吃音者に発達障害が併存していることも強く関係していると筆者は感じています。

 

2016年東京大学の吃音学生サークルがこの吃音業界の問題に切り込む演劇を発表しました。詳細はコチラの記事を御覧ください。

 

◆2016年11月27日 東大スタタリングが駒場祭で吃音をテーマに演劇を披露 その内容はセルフヘルプの限界を指摘するものだった

http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/11/20161127.html

 

 

6.障害者雇用を行う企業団体のみなさん。人事採用担当者のみなさん

吃音者を雇用してください。弊社は吃音者も雇用するとホームページで宣言してください。吃音は障害者ではない!と宣言する当事者もいますので、雇用する側は「障害者手帳を持った吃音者のほうが一緒に働きやすい」、「障害者手帳を持っていない吃音者でも積極的に雇用する」などメッセージを発信してください。

 

吃音者の雇用モデルをどんどん生み出していってください。

そうすれば徐々に、障害受容のできた穏健な吃音者が世の中に増えて、吃音をカミングアウトして働けるようになります。繰り返しになりますが吃音は発達障害者支援法に定義されているため「障害者の法定雇用率」にも計算ができます。

 

 

 

 

 

吃音は発達障害者支援法に定義されています。

吃音が発達障害者支援法(2005年4月1日施行)に定義される根拠

 

17文科初第16号 厚生労働省発障第0401008号

http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0412-1e.html

 

日本の厚生労働省はWHO(世界保健機関)のICD-10 国際疾病分類第10版(2003年改訂)

を法的根拠にしています。

F98.5 吃音症

 

http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/icd10/F00-F99.html

 

政府広報も吃音が発達障害であると広報を開始しています

http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html

 

1番最近であれば2013年発表のアメリカ精神医学会の精神障害の診断と統計マニュアル DSM-5においても吃音が神経発達障害(Neurodevelopmental Disorders)→コミュニケーション障害群→小児期発症流暢障害(吃音)が分類されています。

 

さらにDSM-5で吃音は神経発達障害(Neurodevelopmental Disorders)という、その他の発達障害と同じ枠に分類されているのです。

・知的能力障害群

・コミュニケーション障害群→小児期発症流暢症(吃音)/小児期発症流暢障害

・自閉症スペクトラム障害(ASD)

(自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群など)

・注意欠如・多動障害(ADHD)

・限局性学習障害(LD)

・運動障害群(チック・トゥレット症候群)

 ・他の神経発達障害群

 

 

みなさまはこの事実を知っていましたか?

おそらく、はじめてこんな事を聞いた!という人もいるでしょう。

医師・看護師など医療従事者、コメディカルの職業、教育関係の職業、障害者福祉の職業などに就いている人は

自閉症スペクトラム障害や注意欠如多動性障害の人の中に吃音者がいることを気づいていると思います。その逆パターンもあり、吃音者の中に自閉症スペクトラム障害、注意欠如多動性障害、学習障害、チック・トゥレット症候群などと併存している人がいるのです。

 

手先の不器用さや身体を動かすことが不得意な人もいますね。2013年にアメリカ精神医学会が吃音を神経発達障害という場所に分類した意味は、吃音はますますその他の発達障害との関連性が強くなったということかもしれません。

 

まとめ

・吃音は2005年から発達障害者支援法に定義された発達障害であった

 

・2013年にDSM-5という精神障害の診断と統計マニュアルが公開され、より明確に「発達障害」として分類される

 

・吃音は法律に則り、精神障害者保健福祉手帳という障害者手帳を取得できる。発達障害による診断であれば、できないこと、困っていることがあれば軽度であっても障害者認定は受けられる。一般に言われる発達障害者の人と同様です。障害者手帳を持っていてもそれを隠して一般枠で働く人がいます。軽度でも障害者認定は受けられる。

 

・とても吃音が重度な人は(家族しか会話内容が理解できない)身体障害者手帳4級を取得できる。

 

・吃音業界、吃音当事者団体、保護者会によっては派閥抗争や主義主張により吃音が障害であることを認めない、反対派がいる。事前によく調べることが重要。安易に当事者団体を紹介すると吃音者や保護者に深刻な悪影響を与える場合がある。

 

注意点:現在吃音で身体障害者手帳4級の取得は困難です。そもそも行政は2005年以降、吃音は発達障害者支援法の対象としていること、吃音はICD-10のコード分類が「F」ではじまる。Fとは精神の枠であることを宣言することになります。身体障害者手帳を申請する医師の意見書、診断書で「吃音」という単語を書いてしまうと、身体障害者手帳の審査の段階で、これは身体障害者福祉法別表の定めるものではないという判断になるためです。

 

ただ、吃音という言葉を使わずに言葉を話すことが困難になっていることを明記すれば身体障害者手帳4級の可能性はあるとのことです。

ここはお医者さんの腕次第ということになります。ただ、15条指定医師もそのような博打、危ない橋を渡るとは思えません。素直に発達障害者支援法に基づき、そちらでやってくれと言う人もいるかもしれません。

 

ハフィントンポスト

 吃音(きつおん)は身体障害?精神障害? ──厚労省の専門官が回答

 http://www.huffingtonpost.jp/takahiro-koguchi/disfluency_b_12614138.html

 

※ICD-10の分類

 ICD10分類 > F00-F99 精神及び行動の障害 > F90-F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害 > F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症するその他の行動及び情緒の障害 > F98.5 吃音症

 

 

・吃音者は年齢に関係なく、学校でも仕事でも、吃音で吃ることによる不利益を被らないように『合理的配慮』を受けることができる

・吃音者は新卒で就職活動をするときも大人になって社会に出て働くときも、吃音があることで困っているなら障害者手帳の利用や障害者雇用枠で働くことができる

・民間企業や行政職員、団体、などは、吃音者を障害者として雇用して障害者の法定雇用率の数値に計算することもできます

・2018年より精神障害者保健福祉手帳所持者の事実上の雇用義務化もはじまります。吃音者を雇用してみませんか?

 

◆現在、筆者は『吃音者の雇用ガイドライン』について考えています。吃音者を採用・雇用する場合、職場での合理的配慮はどのようなことが必要か? 人事採用担当、人事部、総務部、障害者の就労移行支援事業所の方で吃音者の雇用・求人・採用や支援体制について知りたいこと不明なことがある場合、お問い合わせページより連絡をしてください。

 

◆吃音ガイドラインはブログも開設しています。主にブログで情報公開を行っております。

http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/

 

【随時更新】人事採用担当者の方へ 吃音者雇用ガイドライン 働く吃音者への合理的配慮とはなにか? 吃音者を採用する場合はどうしたらよいのか? 吃音者採用事例 雇用事例について

http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/09/blog-post.html

 

 このホームページでは、メインとして吃音のことを解説します。

また、自閉症スペクトラム障害や注意欠如多動性障害などの発達障害の関係性についても説明します。

困っている吃音者はかならず読んでください

吃音は障害 障害者手帳を取得できる

吃音者は発達障害者支援法に定義されている発達障害者である。法律に基づいて障害者手帳を取得できる。これにより様々な社会保障制度を利用することができるようになる。

 

幼少期にすでに吃音を診断されていれば、学校では合理的配慮を求めることもできる。

吃音は障害者雇用できる

困っている吃音者は精神障害者保健福祉手帳を取得し、その後、官民関係なく障害者雇用枠で働くこともできます。障害者の法定雇用率を満たしたい、官民関係なく企業団体の人事労務採用担当の側からすれば、双方の思惑が一致します。

 

採用する側のHR担当のみなさまも、ぜひ、吃音者は障害者雇用できること、法定雇用率に計算できることを覚えてください。

自殺をしないで

2013年7月、北海道にて吃音看護師が自ら命を絶ちました。吃音が原因の1つだったのではないかと報道されました。また職場でも吃音への配慮がなかったとの報道もありました。

 

もしも、ifの話になってしまいますが、発達障害者支援法に吃音が定義されていることが日本全国に周知徹底されていれば、避けたことができたかもしれません。